鷺沼友哉(柴田恭兵)は、警視庁捜査一課協力係の刑事。協力係とは、いわば捜査一課の二軍で、人手が足りない捜査本部の応援や、未解決事件の継続捜査を行う部署だ。
鷺沼は2年ぶりに、神奈川県警刑事・宮野裕之(寺島進)から呼び出された。宮野は悪徳刑事とのウワサの絶えない男。2年前、2人は警視庁と神奈川県警を巻き込んだ裏金事件の捜査で手を組んだのだが、その際も宮野は鷺沼の目を盗んで県警と裏取引をしていた。鷺沼にとってはどこか信用ならない男だった。
その宮野が、とある殺人事件の再捜査を持ちかけてきた。それは7年前に大物国会議員の鹿沼が謎の死を遂げた事件で、未だ3つの謎が残されていた。事件が建設中の議員宿舎で起きた点。犯行現場に身元不明の指紋が2つ残されていた点。鹿沼の口座に謎の政治献金があった点。当時の捜査で、献金はバハマの銀行の“タナカ・ヒロキ”という偽名口座からと判明したが、それ以上のことは辿れぬまま、捜査本部は解散していた。
ところが宮野によると、一昨日、横浜の大学で起きた傷害事件から、思わぬ容疑者が浮上したという。凶器から検出された指紋の中のひとつが、7年前の事件の遺留指紋と一致したのだ。その指紋の主は、研究室の卒業生で、現在“生体認証システムの革命児”として注目を集めるコンピューターソフト会社会長・飛田不二雄(東根作寿英)。奇しくもトビシスは、鹿沼事件以降に急成長を遂げていた。
鷺沼はさっそくトビシスを訪ね、指紋が鹿沼殺害現場に残っていたことを追及する。平然とそれを受け流す飛田だったが、“タナカ・ヒロキ”という名前を聞いた瞬間に顔色が変わったのを、鷺沼は見逃さなかった。
その直後、飛田の秘書・深見亜津子(高野志穂)が、鷺沼とすれ違いざまに、連絡先を記した紙片を渡すという謎の行動に出る。さらにその晩、鷺沼と密会した亜津子は、バハマの偽名口座は飛田のものだと告白する。
事態が急に動き始めた一方、鷺沼には警察内部から得体の知れない圧力がかかる。捜査協力を頼んでいた公安部の須崎和男(升毅)から、捜査を中止するよう警告されたのだ。飛田は警察を動かすほど手ごわい男…鷺沼は憤りを隠せなかった。
さらにその後、飛田が亜津子のマンションで遺体となって発見されるという事態が発生。そして亜津子は、さまざまな謎を抱えたまま姿を消してしまった!!
横浜に久しぶりにやってきた柴田、寺島に呼び出された
国会議員の鹿沼(藤田宗久さん)が殺されお宮入りになった事件に関して新たな情報が出た
あの事件には3つの謎があった
あの時間、何故、建設中の議員宿舎にいたのか、遺留指紋2つ(前科なし)は何者か、藤田の献金口座にバハマの偽名口座から振り込んだのは誰か
一昨日、大学で傷害事件があったが、凶器となったトロフィーに残された指紋から、同研究室の卒業生の指紋が検出され、それが遺留指紋の一つと一致した
今を時めくIT企業トビシスの創業者で会長の東根作寿英だった
あの事件には、柴田の上司である平泉成と柴田の同期で国際捜査係の升毅が関わっていたが上からの圧力で捜査は切り上げられていた
新人の伊藤裕子はITに詳しかった 平泉はそこを見込んで引き抜いたと言う
トビシスは、生体認証システムの開発で飛躍した 指紋認証、顔認証、PCにも使われている
柴田と裕子はトビシスを訪ねる 秘書の高野志穂が二人を東根作に案内する 志穂は優秀なプログラマーでもあり同社の№2であると言う
オフィスでは様々なシステムが検証を兼ねて導入されている 虹彩認証も使われている
柴田は訪問の経緯を説明し率直に尋ねる “建設中の議員宿舎に指紋が残されていた理由は” 東根作の答えは明快だった “システムを採用してもらうために、現場確認に通った” さらに、バハマの銀行口座の件を尋ねる 顔色を変える東根作、しかし知らないと言う 裕子は東根作のデスクをのぞき込み、“動作認証システム”の会議が控えていることを知る
東根作は、二人が帰った後、ビル内に張り巡らせたビデオの確認を行った 動作認証システムで志穂の異常行動を確認し、志穂が何かを柴田に渡したことを確認する
柴田はバーで志穂と会う 東根作がバハマに口座を持っていることを伝える
志穂がバハマの口座の存在を知った時、東根作は志穂を秘書にして目の届くところに置くようになった、と言う
柴田は同期の升に捜査協力を頼んでいたが、升に公安から圧力が掛かったと言う
升は近々公安に戻る予定になっている 柴田は思う “東根作は警察を動かす力を持っているのだろうか”
志穂は東根作から有休を消化するよう命じられたと言う 出社禁止措置が取られた
出社できないのでビデオをチェックすることができなくなった
方法があった システム管理会社のメビウス警備保障にもビデオが残されている
メビウスには警察OBが天下りしている 相談役の田山涼成に依頼しビデオをチェックする 志穂の異常行動がチェックされていた
柴田はトビシスを訪ね、“志穂に手を出すな”と警告する
寺島は、田山から東根作に金が流れている事実を掴んだ
さらに寺島は、志穂がバハマ銀行の金の出し入れをしていることを掴む 柴田は騙されているのでないか
柴田は志穂に確認する 志穂は認めるが、云う必要が無かったから、と答える
二人は翌日会うことにする 通話中、雑音が入ることが気になる
□約束した時間になっても志穂が現れない 柴田と寺島は志穂のマンションに入り込み部屋の前に行く ドアノブに血、中で東根作が殺されていた 志穂の姿が見えない
そこに巡査が現れ、二人は神奈川県警へ 何も聞いていない、と県警捜査一課の上杉 平泉が現れ筋を通し柴田を連れ戻す
三人はマンションの防犯ビデオをチェックする
東根作は2日前にも来ていた 志穂と柴田がバーにいた時間
志穂は防犯ビデオに映らずに姿を消していたが、鍵を持つ住人は裏口からビデオに映らず出ることができた
志穂は逃げたのか、拉致されたのか、柴田は志穂を信じ、寺島は疑っている
駐車場のセンサーカメラに記録されていた3台の車は関係なかった
近隣のビデオに黒いワゴン車が往復していることが記録されていた
しかし行方を掴むことができなかった