監察官・羽生宗一1「殺意の銃弾!! 交番巡査発砲事件に疑惑あり!?」

今日は、監察官・羽生宗一1「殺意の銃弾!! 交番巡査発砲事件に疑惑あり!?」です。

 

主人公・上原和也は警視庁警務部監察官補佐に配属され、「毒ハブ」と呼ばれる上司・羽生宗一のもとに就くことに。
其処へ早速、事件発生の報が。

羽生と上原が担当することになった案件は、武藤正彦巡査の発砲事件。
事件の推移は次の通りである。

武藤は地下駐車場で車上荒らしを発見。
取り押えようとしたところ、相手が抵抗。
ナイフを振り翳して襲い掛かって来た。
武藤は拳銃を抜いて対抗。
威嚇射撃するも、抵抗を止めなかった為に腕を狙って発砲したらしい。
ところが、この時点で腕をナイフで傷付けられており照準がぶれ、相手の身体に着弾したそうだ。
結果、相手である渡辺昇一は死亡していた。

果たして、武藤の発砲は正当なモノだったのだろうか……。
羽生はこれに疑問を抱く。
武藤が何かを隠していると言うのだ。

被害車輛の持ち主でデザイナーの原田祐介にも話を聴く羽生たち。
すると、原田は渡辺の名を聞くなり激しく動揺する。

そんな中、武藤の元同僚・三上が何者かに刺殺される。

三上と渡辺、原田と武藤の接点を調べた羽生は北森家に辿り着く。
北森家は3人家族―――父親の北森幸一、母親の北森信代、幸一の連れ娘・敦子の3人だ。

過去に敦子は渡辺にストーカーされ性的暴行まで受けていたのだ。
つまり、渡辺と敦子は加害者と被害者の関係。

さらに、三上は敦子から被害届を提出されたがこれを黙殺していた。
つまり、敦子が被害を受けた原因でもあった。

そして、原田は敦子の婚約者。
つまり、渡辺はストーカー被害を与えた相手の婚約者の車を荒らしていたのだ。

最後に、武藤は幸一に信頼され相談相手となっていた。
つまり、武藤は幸一から依頼を受け渡辺を故意に射殺した疑いがあった。

渡辺と三上の死に、敦子を中心とする人間関係が複雑に絡み始めた。

矢先、三上殺害容疑で幸一が逮捕された。
幸一は三上が渡辺と共謀し、過去に敦子が受けた暴行写真をネタに脅迫して来た為に殺害したと供述する。

一方、渡辺殺害現場の防犯カメラ映像を調べた羽生は武藤の行動の真意に気付く。

武藤を問い詰める羽生。
すると、意外な事実が。

渡辺は車上荒らしではなく、脅迫写真を原田の車に残そうとしていたのだそうだ。
武藤は渡辺を正当防衛で射殺した後にその事実に気付いた。
それまで、相手が渡辺であることすら気づかなかったらしい。
写真を残して行くことは、敦子の為にならないと判断した武藤はこれを秘密裏に持ち去っていたのだ。
これこそが、武藤の隠し事であった。

羽生は今度こそ、武藤の行動が正当なモノであったと認める。
しかし一方で、まだ真相が隠されていると口にするが……。

羽生が訪ねたのは信代のもとであった。
そう、三上を殺害したのは幸一ではなく信代だったのだ。
敦子とは血の繋がりが無い信代だが、育ての親として愛しており、敦子を妨害する三上が許せなかったらしい。
幸一は信代を庇ったのである。

羽生は信代に自首を勧める。
これに応じて、信代は出頭することに。

羽生の判断が容れられ、武藤の発砲は正当使用と認められた。

上原は羽生・良子の2人に憧れを抱くのであった

 

■感想

なかなか良かったですね。
「毒ハブ」の「毒」は「悪」にのみ効果を発揮する「毒」なのでしょう。
監察官室デスク・良子の正体の謎も含め、ラストも痛快でした。

ただ、キャラ自体をかなり強調していたのですが、強調したキャラを活かしきれず割とありがちな展開に落ち着いていたことが惜しい。
つまり、キャラが濃いが話が薄い。