科捜研の女10-10「予告された連続殺人 刑務所の中からの告発 無実の人間が殺される 京都の街を殺意で結ぶ五本線の罠」

■スタッフはなんか、厨二病患者に恨みでもあるんですか?
という感じの展開でした。
「陰陽五行説」とか「殺人計画書」(笑)とか見ていて心惹かれると同時に身を切られるような思いでした。
掘り起こされる、私と近所に住んでた中二病男子の黒歴史
ガチでちょっと遅めの厨二病を発症していた高校の頃の私を殴りたい。ものすごい殴りたい。そんな衝動に襲われました。
人は誰しも、1回は「黒歴史ノート」ってヤツを作りませんかね。痛々しい妄想を書き連ねたノートとか。今時ならワードファイルにしちゃったりとか。それで小説(笑)とか漫画(笑)なシロモノを作っちゃったりとか。
何が言いたいかっていうと、息子の史明くんが殺人計画書(笑)を書いた理由っていうのは、厨二病患者だったからだよねっていう。
わかりやすく言うならば、
「認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものを」(by赤い彗星のあの人)
つまり、史明くんは本気で実行に移すつもりなんか微塵もなかったんだよね。あの計画書(笑)の凝った装飾を御覧なさい。間違いなく彼は厨二病患者だったよ。そんな子はね、よっぽど思考が明後日の方向にぶっ飛ばない限り、殺人まではしないものです。妄想だけで発散できるんです。
その割には、割と大事にUSBメモリに取っておいて隠してたりしてたんですけどね。っていうか、よく奈美ちゃんはUSBメモリ見つけられたね。そして何故あの空き家にUSBメモリが残ったままだったのか。ほら、ツッコミ出すとキリがないw
そして冒頭の大橋さんも(息子を庇いたかったという事情があったにせよ)、なんか言い回しが厨二病臭かったよね。そりゃあ、マリコさんも「言ってる意味がよくわかりません」としか返答できないわw
というか大橋家、普通な人が奈美ちゃんぐらいしかいない気がするんだけどね。奈美ちゃんは、思い込みが激しいだけで割とまともだったような気はする。母ちゃんは、反省したとはいえ、昔がアレだったしなー。
史明くんには、そんな家族を守るために、是非頑張っていただきたい。あれだけ酷い厨二病を克服できたんだから、きっと大丈夫ですよ。


■そんな計画に感銘を受けたらしいサイコキラー・御木本。
連続殺人鬼の御木本がサイコパス過ぎて演じている尾美としのりさんを嫌いになりそう...。
せっかく、「久々のサイコキラーだ」とか盛り上がったのにマリコさんと土門さんの締めでちょっと壊された気がすると視聴当時思っていた。
あそこはもう、御木本のバックグラウンドとか一切なしで、ひたすら不気味で本気で同情しようがない犯人にしておくべきだったと思うんだ。そうじゃなきゃ、大したこともしてないのに殺されちゃった、今回の被害者の人たちが可哀想すぎるだろ。

 

マリコさんが、他県の刑務所の中にまでその名声を轟かせている件。
「刑事より優秀な研究員がいる」って、それにマリコさんが否定も肯定もしなかったところが逆に怖いわ。
以前の感想記事で、冗談交じりで『問題児コンビの怖さは、全国規模で知れ渡っているとみた』とか書きましたけど、それもあながち間違ってなかったかもしれないと思った。


■序盤、平和な科捜研でお昼ご飯を食べてるみんながかわいかった。
最低3日に1回は出動する羽目になってるのね、あの科捜研。確かに、あの事件の頻度だとなぁ。
ちなみにみんなのメニュー
マリコパパ→ざるそば
日野さん→意外にも(失礼)手作りっぽい。やはりメタボ対策か
泰乃ちゃん→手作りお弁当。
乾くん→コンビニフード。


■簡単に引き下がった(ように見えた)マリコさんを見るみんなが、ものすごい静まり返ってた。いや、気持ちはわかるんだけども。
しかし、今回マリコさんは3回有給を使ったわけですが、どれだけ溜めてるんでしょうね、彼女は。
そんな彼女に付き合ってくれるみんな、本当にだいぶ丸くなったよなー。物足りないって人の気持ちもわかるけど、今更毎回対立されてもアレなので、私はこのままでもいいや。
ちなみに、私は「有給中の捜査活動は云々かんぬん」とか野暮なツッコミはしません。今更だし。

■別にツッコむつもりはないんですが
土門さんの記憶力も科捜研の相変わらずの分析力も、どっちもすごいよなぁと(あの放火場所を特定するくだり)。

■犯人の元に単身で突っ込まなくなった辺り、「マリコさんもさすがに学習したんだなぁ」と思った。まぁ、今回は人質もいたしねぇ。

■まぁ、事件そのものがノリと勢いで突っ走るタイプの話だったので、細かく突っ込むのも野暮かなぁとは思うのですが
・あんな厨二病じみた計画書(笑)だけで、微細証拠すら一切残さず殺人を犯した御木本さんは、間違いなくその道のプロ。
・結局、自殺は他殺にひっくり返ってしまったわけですが、佐久間部長は「またか」とぼやいているかもしれない。っていうか、その件についてのフォローあったっけか。いいのかな。
・殺人計画書(笑)を書いたことへの、周囲からのツッコミと本人の弁明(「さすがに本気じゃなかった」とか、それぐらいで結構なんですが)はほしかったかもしれんね
・さっきも書いたけど、御木本の家庭環境とかはいらなかったかなー。せっかく尾美さんがサイコキラーを演じてくださってたのに。ちょっと壊された感じ。

■屋上のいつもの締め
御木本の家庭環境云々はいらなかったんじゃないかなぁ。うん、ここが気になってさ。
それは置いといて、最後の主役コンビのいちゃつきっぷりに心を撃ち抜かれたのは私だけではないはず。
マリコさんが「美貴ちゃんと連絡取ってる?」って聞くのは、今年の初回を踏まえた上での台詞なのは勿論ですけど、春先のSPの土門さんからの台詞へのお返し(マリコママと連絡取ってるかとか聞いてたアレ)なのかなー、と思ったんですが、やっぱりそれって考えすぎでしょうか。
同じ「屋上でマリコさんと土門さんが話して締め」パターンでも、こうやってほのぼの終われる系統は好きです。しんみり終わる系統も嫌いじゃないんだけど、でもやっぱり、最終回は笑顔で終わって欲しいじゃないですかね。