刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史

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「なんか、昭和らしいなあ。」と思う箇所がちらほらあり、完成度は比較的高かったです。

平塚八兵衛という人物は「吉展ちゃん誘拐殺人事件」「帝銀事件」「下山事件」「三億円事件」などを取り扱った犯人の小原保元死刑囚のアリバイを崩して自供に至らせた粘り強い取り調べがあり、また小原元死刑囚が死刑を執行される直前に、「私は今度生まれるときは真人間になって生まれてきます。どうか、平塚さんに伝えてください」と言い残した事も有名です。

ただ、帝銀事件の犯人とされている平沢貞通(榎木孝明さん)は冤罪で自白も強要されたものだと言われており私もそう思います。

・一説には、平塚と平塚を逮捕した「名刺班」の班長のI警部補なる人物が拷問に近い取り調べを行ったともされているが、平塚氏自身の証言によると、彼は平沢の取り調べはしていない。「傍流」にすぎなかった名刺班が、捜査本部の方針とは別に平沢を逮捕して大きなニュースとなったため、警察内部の嫉妬や反発を買い、平塚氏を含む名刺班全員が取り調べからはずされ、最初から検事が取り調べるという前例のない事態になった。のみならず、ある警察幹部は平沢氏の逮捕後も「平沢シロ説」を立証するため刑事を北海道に派遣するなど、捜査内部の対立はのちのちまで続いた、という(『刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史』新潮文庫版,2004年)