『大豆田とわ子と三人の元夫』第1話
大豆田とわ子(松たか子さん)は、これまでに3回結婚して3回離婚した、いわゆる“バツ3”。建設会社『しろくまハウジング』の社長に就任し、最初の夫・田中八作(松田龍平さん)との間に生まれた中学3年生の娘・唄と暮らしている。
とわ子はシロクマハウジングの社長で顧客満足度はトップクラス。ある日、社長就任と同時期に亡くなった母親のパソコンを開こうとしたとわ子は、パスワードが設定されていることに気付く。
どうやら、別れた夫のうちの誰かが設定したらしい。唄はすぐに確認するよう促すが、面倒なことを避けたいとわ子は気が重い。元夫のうち、今でも定期的に顔を合わせるのは3番目の夫・中村慎森(岡田将生さん)。とわ子の会社の顧問弁護士で、甘いマスクに似合わない、理屈っぽいひねくれ者だ。
2番目の夫はファッションカメラマンの佐藤鹿太郎(角田晃広さん)。業界では有名で腕もいいが、とにかく器が小さい。
そして最初の夫である八作は、会社を辞めてレストランのオーナー兼ギャルソンになっていた。
■とわ子と元夫3人との関係
ある日、船長風の男(斎藤工さん)と知り合い、デートに誘われた。しかしディーナー中に、態度の悪い店員から、この後、母親が入院しているからお金を貸してほしいという展開が待っていることを聞いて、冷や水をあびせられたとわ子。
会社の社員が大きなミスをした。カバーするために徹夜するとわ子、なんとかバックアップできた。ミスした社員に優しく怒ったつもりが、「すごい怒られた」とその社員は同僚に伝えるのを聞いてしまい複雑な心境。帰り道、疲れきってしまいマンホールの穴にハマってしまいあまりのショックで呆然としていると矢作に拾われる。矢作の自宅では温かいお風呂とごはんをごちそうになり、なんとか正気に戻れたとわ子
八作の膝枕で気持ちよさそうに寝てしまったとわ子。寝ている間に3回電話が鳴る。1人目は唄、2人は2番目の元夫佐藤、3人目は3番目の元夫中村だった。そして佐藤と中村は矢作の家に乗り込んでくる。とわ子はとっさに隠れる。
3人の元夫は会議をはじめる。会議内容は「とわ子をどう思っているか?」
隠れていたとわ子は、出てきてしまった。
後日、パスワードが外れ、母親の法要が行われた。
監察官・羽生宗一1「殺意の銃弾!! 交番巡査発砲事件に疑惑あり!?」
今日は、監察官・羽生宗一1「殺意の銃弾!! 交番巡査発砲事件に疑惑あり!?」です。
主人公・上原和也は警視庁警務部監察官補佐に配属され、「毒ハブ」と呼ばれる上司・羽生宗一のもとに就くことに。
其処へ早速、事件発生の報が。
羽生と上原が担当することになった案件は、武藤正彦巡査の発砲事件。
事件の推移は次の通りである。
武藤は地下駐車場で車上荒らしを発見。
取り押えようとしたところ、相手が抵抗。
ナイフを振り翳して襲い掛かって来た。
武藤は拳銃を抜いて対抗。
威嚇射撃するも、抵抗を止めなかった為に腕を狙って発砲したらしい。
ところが、この時点で腕をナイフで傷付けられており照準がぶれ、相手の身体に着弾したそうだ。
結果、相手である渡辺昇一は死亡していた。
果たして、武藤の発砲は正当なモノだったのだろうか……。
羽生はこれに疑問を抱く。
武藤が何かを隠していると言うのだ。
被害車輛の持ち主でデザイナーの原田祐介にも話を聴く羽生たち。
すると、原田は渡辺の名を聞くなり激しく動揺する。
そんな中、武藤の元同僚・三上が何者かに刺殺される。
三上と渡辺、原田と武藤の接点を調べた羽生は北森家に辿り着く。
北森家は3人家族―――父親の北森幸一、母親の北森信代、幸一の連れ娘・敦子の3人だ。
過去に敦子は渡辺にストーカーされ性的暴行まで受けていたのだ。
つまり、渡辺と敦子は加害者と被害者の関係。
さらに、三上は敦子から被害届を提出されたがこれを黙殺していた。
つまり、敦子が被害を受けた原因でもあった。
そして、原田は敦子の婚約者。
つまり、渡辺はストーカー被害を与えた相手の婚約者の車を荒らしていたのだ。
最後に、武藤は幸一に信頼され相談相手となっていた。
つまり、武藤は幸一から依頼を受け渡辺を故意に射殺した疑いがあった。
渡辺と三上の死に、敦子を中心とする人間関係が複雑に絡み始めた。
矢先、三上殺害容疑で幸一が逮捕された。
幸一は三上が渡辺と共謀し、過去に敦子が受けた暴行写真をネタに脅迫して来た為に殺害したと供述する。
一方、渡辺殺害現場の防犯カメラ映像を調べた羽生は武藤の行動の真意に気付く。
武藤を問い詰める羽生。
すると、意外な事実が。
渡辺は車上荒らしではなく、脅迫写真を原田の車に残そうとしていたのだそうだ。
武藤は渡辺を正当防衛で射殺した後にその事実に気付いた。
それまで、相手が渡辺であることすら気づかなかったらしい。
写真を残して行くことは、敦子の為にならないと判断した武藤はこれを秘密裏に持ち去っていたのだ。
これこそが、武藤の隠し事であった。
羽生は今度こそ、武藤の行動が正当なモノであったと認める。
しかし一方で、まだ真相が隠されていると口にするが……。
羽生が訪ねたのは信代のもとであった。
そう、三上を殺害したのは幸一ではなく信代だったのだ。
敦子とは血の繋がりが無い信代だが、育ての親として愛しており、敦子を妨害する三上が許せなかったらしい。
幸一は信代を庇ったのである。
羽生は信代に自首を勧める。
これに応じて、信代は出頭することに。
羽生の判断が容れられ、武藤の発砲は正当使用と認められた。
上原は羽生・良子の2人に憧れを抱くのであった
■感想
なかなか良かったですね。
「毒ハブ」の「毒」は「悪」にのみ効果を発揮する「毒」なのでしょう。
監察官室デスク・良子の正体の謎も含め、ラストも痛快でした。
ただ、キャラ自体をかなり強調していたのですが、強調したキャラを活かしきれず割とありがちな展開に落ち着いていたことが惜しい。
つまり、キャラが濃いが話が薄い。
相棒15-10 「帰還」
今日は相棒15-10 「帰還」です
■右京さんと冠城くんが駐在所勤務
特命係の2人が臨時の異動辞令により、郊外の駐在所勤務になります。
黒水(くろうず)町と言う郊外の町に異動することになったのですが、ここは奥多摩よりもさらに西の奥にある設定でした。都心からは相当遠い場所かと思います。
ここに向かう際には、右京さんと冠城くんはそれぞれの車を運転して向かってました。二台で。これもけっこう珍しい絵ではないかと。
そして二人で駐在所に勤務するわけですが、過去にも特命係が交番でお手伝いするような場面はありましたが、今回は異動辞令によりがっつり勤務する形です。
それにより、かなり貴重なものが見られることに。
冠城くんが警官の制服を着てるんですよ!!
冬仕様の制服ですね。
なぜか制服着てるのは冠城くんだけで、右京さんは着てないんですけどね。
冠城くんの制服姿はこれが初めての登場ですので、貴重かと思います!
けっこう似合ってましたね。
そしてさらには、右京さんと冠城くんが自転車に乗るシーンも!
普段捜査の時は車で移動している二人ですが、今回は自転車で移動しています。
これもなかなか貴重な絵ですね。右京さんの自転車シーンと言うのもこれが初めてではないかと思います。
ちなみに、右京さんは自転車には問題なく乗っていましたが、冠城くんは自転車が苦手のようでした。
また、雪が降る中で、駐在所勤務をする特命係と言う、ちょっと印象的な場面も。
何気ないワンシーンだったのですが、個人的にはけっこう印象に残った場面です。
特命係の交番勤務により、普段見れないような場面がたくさん見れて良かったです。
その分、お馴染みの登場人物たちは、今回はけっこう出番が少なかったかと。伊丹さん芹沢さんは、郊外の町でも特命とは絡んでいますが。いつもよりは薄い出方でした。
■警視総監が登場!
警視総監の四方田松榮が初登場しました。演じているのは永島敏行さんです。
相棒で警視総監と言いますと、劇場版2に出てくる田丸寿三郎(品川徹さん)だったとは思うのですが、いつの間にか変わったんですね。シーズン13までは田丸警視総監でしたので、この1~2年くらいの間に四方田さんになったと言うことかと。
田丸警視総監はどうしちゃったんでしょうね?
当時、もしや演じていた品川徹さんの身に…?と思ったのですが、そんなことは一切なく、最近もご活躍されていました。ですので何かしら別の理由で警視総監が交代になったかと思われます。
いきなりこの四方田警視総監が登場しましたので、あれ、田丸さんは?と思ってしまいましたが。笑
今後は警視総監はこの四方田さんで行くのかな~と思って見ていたのですが、まさかの結末が待っていて、それは叶わないんですけどね。
ネタバレですみませんが、四方田警視総監は料亭で和合町長と会食中に拉致されて顔が分からなくなるまで頭を踏まれるという残虐な手口で殺害されてしまうんです。
なお、四方田の殉職以降、警視総監に相当する人物は仄めかされることこそあるものの登場はしておらず、現在の警視総監は誰なのか不明です。
相棒での警視総監、今後は誰が演じるのか注目です。
■ 冠城くんの職務経歴書
1997年 4月 法務省入省 矯正局総務課に配属
(以下略)
2005年 10月 公安調査庁関東公安調査局調査第一部調査官
(以下略)
2015年 4月 警視庁警務部付
2016年 3月 法務省退官
2016年 4月 警察学校入学
冠城の職務経歴がチラッと映ってましたね。
早慶大学といえば、甲斐親子が通っていた大学ですね。
当然、モデルの大学は早稲田大学と慶應義塾大学。
実際はどっちかというと、早大卒の警察関係者が多いように思います。
ちなみに、四方田警視総監は日本柔道体育大学という謎の大学を卒業しています。
そして、最も気になるのが公安調査庁に所属している経歴です。
公安調査庁関東公安調査局調査第一部調査官
冠城が調査第一部に所属していた期間は短いですが、何を調査していたか気になります。
警視総監と和合が会食していたところを襲った実行部隊たちは国奥が雇った傭兵かなと考えていました。
しかし、真犯人は全く別の人物でした。
■真犯人の正体
真犯人は和合でした。
役柄の良い人のイメージが強く残っている状況からの、あのラストだったので怖かったです。
今回の犯人の和合には、特段の動機がなかったと言う後味の悪い事件でした。
殺害された警官たちは薬物の使用か売買の疑惑があったので、正義のために何者かが連続殺人を行ったのかと思わせて、実は前科者を集めてなにか面白いことが起こらないかと考えていた和合の犯行でした。
しかも、冠城を怒らせるためだけにジャーナリストの若月詠子(伊藤歩さん)を放送中に殺害するという手段をえらばないサイコパスです。
詠子は和合からの警察ネタで真実を明らかにしたいと動いていましたが、和合が情報提供者だとは知らなかったようです。
ですから、和合が冠城に「あの女と寝た」と言ったのは冠城くんを怒らせるためだけのウソですね。
しかも、自分を撃たせて冠城くんも殺人犯に仕立て上げるのが和合の描いたストーリーだったというのが恐ろしいところです。
全く理解が出来ない犯人でしたね。
冠城くんは本当に詠子に恋心があったんでしょうか?
詠子の遺体を見た事で明らかにプッツンしてしまって、拳銃に銃弾を込めてました。
冠城くんもなかなか惚れっぽい体質のようです。
■町長と警視総監のつながりは?
四方田警視総監と和合の間に入っている人物はドラマ中では明らかになっていませんでしたが、一体誰なんでしょうか?
IT企業の社長時代に納入したパソコンが今回の事件の一部となっていましたね。
和合の会社からパソコンを購入することを決断したのは副総監の衣笠(大杉漣さん)だったようで、事件解決後に甲斐(石坂浩二さん)に呼び出されて暗に責任を追及されていました。
和合市長に四方田警視総監が殺されるという結果を招き、甲斐が自身の部屋に来たときに「私は常にサイバーセキュリティに積極的に取り組んできた!」と自身が咎められていると思い込んだ結果このような発言で怒号を飛ばした。
しかし、「私は君を咎めるつもりはないよ。」と言われ、「どうやら君が警視総監になることはないようだ……実は、ぜひ次期警視総監に推薦したい人物がいるんだが、どうかね?僕のいうことを受け入れてくれるかね?ん?」と甲斐は笑顔で確認しました。
単純に考えると和合と警視庁とのパイプは衣笠だろうと思います。
■会食時に襲ってきた実行部隊
和合と四方田の会食時に料亭に現れた実行部隊は外国人で、まさか美彌子関係のロシア人か?!と思わせてただの傭兵でした。
日本国内で外国の傭兵を雇えるのかは不明ですが、ドラマですからね…(笑)
■槙野はなぜ逃げた?
平岡拓真さん演じる槙野は14歳の時に慕っていたタカハシを冤罪で自殺に追い詰めた四方田をボコボコにした熱血漢です。
四方田は電報が来た後から真理男を監視し続け、拳銃まで携帯してよほど真理男が怖かったんだと思います。
その真理男は無口で恋人?の、りかこ(仁村紗和さん)にも一言も声を出したことが無かったようです。その理由も明らかになっていません。
なによりよくわからないのは、なぜ逃亡を続けたのか?ということですね。
今回は真理男本人は全く事件と関わっていなかったにも関わらず、逃げてしまいました。警察への不信感だけで、そこまでするでしょうか?
ラストに和合に呼び出されたのは冠城に撃たれた自分を発見させるためだと思いますが、真理男が和合をボコボコにした理由は何だったんでしょうか?
廃校の体育館に右京さんとりかこを呼び出した理由は?
ちょっとこの辺が雑な気がしました。
科捜研の女12-5「殉職刑事が残した謎 血液指紋の告発…」
あ゙ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゙ぁあぁ゙ああぁぁあ゙ぁあ゙ぁぁ
権藤さぁぁぁぁぁぁぁぁん! 。゚(゚´Д`゚)゚。
権藤さんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! ・゚・(つД`)・゚・
そんな感じで悲しみに暮れてるので、細かくツッコむことは出来ないけど一言だけ言わせてくれ。
権藤さん、カレオツ!
◆現場で権藤さんの遺体を見た時の土門さんが、土門さんがぁぁぁぁぁ
「何やってるんだ? 何があった? 権藤! 刑事なら何があったか報告しろ!」
そんな土門さんを止めるマリコさんだって辛いのに、それでも、
「権藤さんの身に何が起きたのか、それは私たちが明らかにしてみせる。だから……土門さんは、土門さんにしか出来ないことをして」
と言える、この精神力よ。
その後、現場に到着した科捜研一行にも、
「科学捜査は、いついかなる時でも、冷静かつ客観的でなくてはならないの。それが出来ないのなら、この場から外れても構わないから」
と言えるマリコさん。もうね、過去のことを思い返すとね……
権藤さんの遺体を見て泣いてしまった泰乃ちゃんも、
「やれます。やらせてください!」
って言える強い子。
相馬さんも、
「っていうか……俺たちがやらないで、誰がやるんですか?」
と言えるいいヤツ。
「絶対明らかにしてみせるから。権藤さんの身に何が起きたのか、絶対……」
マリコさんの決意パねぇ。この時のマリコさんの顔が、個人的にはめっちゃ強く綺麗に見えて大好きです。
◆捜査会議というあんな大勢がいる場所で、
「権藤さんのために黙祷をしてください!」
と声をあげられる泰乃ちゃん、マジいい子。
そしてそれに同調してくれる相馬くんもいいヤツ。
「管理官だって、少しは責任を感じるなら、権藤さんのために黙祷したっていいんじゃないですか?」
◆しかし、芝管理官は黙祷を拒否。
「祈るなら、各人が心のなかで祈ればいいでしょう。わざわざ全員で、その時間をとる必要はありません。今は、一分一秒が惜しいのですから」
後にデレるためのアレとはいえ、まぁ悪者に見えなくもない。せめて、「今は捜査が最優先。事件が解決したら黙祷をする」ぐらい言える柔軟性というか機転があってもいいとは思う。
ただそういう余裕のなさそうな、そんなところが精一杯背伸びしてるっぽくて、個人的には好きなんだけど。
◆蒼さんが残した留守番電話の音声解析している時、日野さんが「どこのものか特定できないか」って言い出して、「まさか、『寺の鐘の音データベース』よろしく、『絵馬の鳴る音データベース』とかあったりしねーだろーな」と思ったのは私だけでいい。
◆取調室にいる蒼さん絡みのやり取りだけで、宇佐見さん・風丘先生・芝管理官と3人もの過去を絡めて描けるこの話の密度は異常。
宇佐見さんは、妹を連続殺人鬼に殺された過去。優しいお茶、私も飲んでみたい。
「風丘先生、変なこと頼んでいいですか?」
「風丘先生にしか出来ないことだと思います」
風丘先生は、夫を殺され白骨死体で発見した過去。左手の薬指、金色の結婚指輪を見ながら言っているのが泣ける。
「ごめんなさい。あなたのお兄さんが亡くなった時、もし私が解剖していたら、お兄さんの身に何が起こったのか、絶対うやむやにさせなかった」
「だからこそ、私はあなたの気持ちが知りたいの」
「そうね……でも、わかるかもよ。だって私も……夫を殺されたから」
「大切な家族を奪われて、残された者にとっては出来ることは少ないかもしれない。犯人をうらむこと……自分を責めること……誰かのせいにして八つ当たりすること……でも、本当にしなきゃいけないことは、亡くなった人が、最後の最後に何をしようとしたのか。残された自分たちに何を伝えようとしたのか。それを……知ることじゃない?」
そして芝管理官は過去に起きてしまった自分の過ち。蒼さんは警察に心を開かないだろう、と言われた時の表情がぐっと来る。そして、事情を知ったマリコさんの言葉が優しくて泣ける。
「あんなことを二度と繰り返さないために、ここに来たのに……」
「私は、繰り返したとは思っていません。何故なら権藤さんは、ずっと最後まで蒼さんの側に立ち、彼女の言葉に耳を傾けようとしていたんですから。今、私たちに出来るのは、権藤さんが残そうとしたものを引き継ぐことじゃありませんか?」
それぞれ過去の描写が思い起こされるように描かれてて、もうそれだけでこの話が大好きです。
◆死ぬ間際のプレゼント(鈴)に何か大事なもの(メモリーカード)が隠されてるってのはやっぱりベタで王道だよね。
◆皮肉なんだとわかっちゃいるが、違反のもみ消しや車両ナンバーの照会とかそういう時点で既に「些細なお願い」ではないよねって。
なんか洛北メンテナンス(黒洋連合会)って、がん細胞みたい。じわじわと身体を蝕んで、とうとう身体を壊さざるを得なくなるっていう……しかも、逃れる術が切除するか劇薬しか無い。ああ、怖い怖い。
◆言うべきじゃないとわかっちゃいるが、権藤さんも土門さんぐらいには知ってたことを言ってもよかんべ……そうしたら死ななかったよ、たぶん……
◆シーズン12は歩容認証が大活躍なイメージ。
◆実行犯のメットの男、千倉さんは児童養護施設に火でもつけるのかと思ってた。そうしたら手っ取り早いやん? 最早手段なんか選ぶような輩でもないだろうし。
そんな千倉さんに怒りの顔面パンチかます土門さんカッコいい。いや、警察の包囲網で追い詰められてたのはわかるけど、あれは土門さんの気迫に押されたように見える。
科捜研にある時計によると、千倉さん逮捕劇は2012年12月20日のことらしい。
ってことは権藤さんは2013年を迎えること無く殺されたわけか……
◆「これで全て終わるわ。ううん、終わらせてみせる」
マリコさんの言葉の説得力が半端無い。何この絶対的な安心感。さすが「マリコさんがいれば大丈夫」。
◆「警察を辞めて4年……それでも成尾優也はまだ、警察官だったからです」
権藤さんも、成尾さんも……「本物の警察官」だったよ。それは絶対に間違いないよ。
◆家宅捜索・強制捜査の時の悪人たちの反応
江原刑事課長「・・・・・。」
黒洋連合会の組長「おい、ちょっと待てよ...。」
荻村たち「あ、ヤバい…。(書類を破く)」
◆そういうのがあるのかは知らんが、もはや左京西署は解体とかされてもおかしくないレベル。まぁ、江原課長は逮捕、上層部は首総取っ替え、降格、下手したら懲戒免職かもなぁ。
芝管理官と土門さんに家宅捜索と強制捜査の許可を出してくれと言われた時の佐久間刑事部長はマジカッコいい。
「やるからには、どんな細かな不正もひとつ残らず見逃さないように。徹底的にやれ!」
やっぱアレよな、レギュラー殺されてるし『科捜研』だし、これぐらいわかりやすく勧善懲悪の方がいいです。私は。
◆警察葬で送り出される権藤さんは幸せ者だ。
そして、成尾さんもまた。だからこそ、芝管理官は遺影を並べてくれたわけだからね。このデレにはやられた。やっぱり信念の人なんだなぁ。私は好きだよ。
「おい、権藤。お前はもうとっくになってたよ。本物の警察官にな」
土門さんの、このベタで事前から言うだろうと予測できてた台詞の破壊力がぁぁぁぁぁ
改めて泣けるぜ……
◆葬儀に来た科捜研メンバーが私服でよくわかったんですが、以前弟に教えてもらった通りのイメージカラーっぽいです。
マリコさん:レッド系(ピンク含む)
泰乃ちゃん:イエロー系
相馬さん :グリーン系
宇佐見さん:ブルー系
日野所長 :ブラウン系
権藤さんが死んだシーンそのものより、周囲の反応がな……もうな……アカン、あれはアカンよってぇぇぇぇぇぇぇ
後編は笑いどころ全くなしの全編シリアス。そして、戸田山さんによるキャラクター全員への愛が溢れてた感じですた。警察葬で送り出してもらえる権藤さんは幸せ者だよ、本当……
『相棒』でもそうなんだけど、戸田山さんはキャラクターにスポット当てる回だと、基本的に気合の入れようが違う気がする。東映公式の通り、レギュラー全員にそれぞれ見せ場と信念とがあって、よくこれを後編の実質1時間にまとめたなと思っております。
事件の構造そのものは結構単純だったけども、キャラクター退場劇としては大満足の出来でございました。ノリと勢いと雰囲気でハッタリかましてナンボな戸田山さんによるベタにベタを重ねた王道の勧善懲悪物語で、最高の送り出しだったなあと思います。
最初も言ったけど、あまり細かいことグダグダ言う気が起きないので、私は好きですよってことで勘弁して下さい。
科捜研の女12-4「疑惑の白骨死体!残された押収拳銃の謎」
泰乃「でも、マリコさんに奢ってもらうの初めてかも」
マリコ「そういえば、私も誰かに奢ったの、初めてかも」
えっ。あれだけ長い付き合いだった上にこき使われてた乾くんも美貴ちゃんも、奢ってもらったことなかったの。えっ。
あのマリコさんのほわほわした様子から、あれはほろ酔いなマリコさんなりのジョークだったんだと思いたい。
そして珍しいことはするもんじゃないな。早速事件に遭遇してやがるし。
その後、自殺したのは、左京西署の元警察官・成尾優也(田中幸太朗)と判明。成尾は京都府警の権藤刑事(高橋光臣)と同期で、警察学校も一緒だったという。その権藤は「実家に帰る」と言って3日間の休暇を取っていたが、成尾の死体発見時、彼のアパート前に群がる野次馬...
話の都合とはいえ、えっ、なんで...。
しかも、成尾がそれらの拳銃を持ち出した容疑をかけられ、4年前、依願退職に追い込まれていたことがわかる。
あくどいさすがマリコさんあくどい。
そこで、マリコさんも知らないうちに成尾さんが書いた遺書の原本をこっそり持ち出す相馬さん。もう「相馬くん」とは呼べない。「相馬さん」だわ。しかも、現職警官たちに向かって「皆さん、どこの組の方ですか?」と半笑い。
まぁ、マリコさんももう少し若かったら多分、相馬さん以上に無茶苦茶なことやってそうではある。
◆廊下で同時着信してたマリコさんと土門さんを見て、やっぱりこの2人の体格差すごいツボだなぁと再確認しました。
◆相馬さんのウザさはいいウザさ。骨破断面形状鑑定の時のあのポーズはなんなんだよ!
◆「ロキソプロフェンナトリウム水和物」
早口言葉か!
◆お店でマリコさん・土門さん・権藤さんが飲んでた時、主題歌が密かにバックで流れてましたけど、どう考えても「流すタイミングがなかったから、今ここで流しますね」っていう感じで、ハッキリ言うと店の雰囲気と全くそぐわない感じでかなり開き直りを感じた。
すっごい細かいけど、権藤さんは「マリコさん」って呼ぶんだ。「榊さん」じゃないんだ。
◆本物の警察官とは。
「今、君らが手にしているのは、本物のバッジではない。これから始まる警察官としての職務の中で、君らが市民から愛され、敬意を払われる本物の警察官となった時、そのバッジは初めて、本物になるんだ」
最期まで人を守ろうとした権藤さんは、間違いなく本物の警察官だよ。私はそう信じてるよ。
◆白骨死体の吉岡さんと成尾さんの口論を覚えていた荻村っていう怪しいヤツには「よく覚えてらっしゃいますね」っていうのに、吉岡さんが住んでたアパートの管理人さんの記憶力は問われないのか。どっちも4年も前のこと言ってるのに。
◆今回、1番笑ったのは日野さんが相馬さんに遺書の原本関連で詰め寄ったのに、相馬さんが「とんでもないことがわかっちゃいました!!」って言ってたところ。なんでこんなにツボにハマったのか、よくわからんw
◆蒼ちゃんのスマホに隠されたメッセージ、権藤さんがスマホの電源を消した意味、蒼ちゃんが「何これ?」って言ってた意味は...?
◆感想
必ずどこかで1週間空いてしまうのなら、視聴者を逃さないという意味でも2週連続モノで引くのは製作の都合として実に合理的な選択とはいえ、腹を刺されて2週間放置される権藤さん……
ドラマのレギュラー陣が殺されかけても死なない、所謂「レギュラープロテクト」の正体は「放置されない」ことなのかも。2週間も放置されたら、そら誰でも死ぬで。
脚本が戸田山さんということで、ベタにベタを重ねてものすごい勢いでフラグを建築して回収していった。来週の展開次第だけど、こうやって送り出してもらえる権藤さんは幸せだなぁ。いや、殺されてますけど。
さっきも書いたけど、最期まで人を守ろうとした権藤さんは「本物の警察官」だと思う。
権藤さんが最期まで人を守ろうとして死んだことは忘れてはいけない。
しかし、わかっていたこととはいえここで1週間待たせるとか……制作陣のドS!とか当時思いましたw
相棒13-1 「ファントム・アサシン~幻の殺人者は二度死ぬ!?~協力か対立か…VS国家機密を握る女」
昏く深い闇の中、国家の威信と存亡を賭けた暗闘が繰り広げられている。
その闇の中では人の命は紙よりも軽い。
吹けば飛び、飛べば失われてしまう。
だが、これは表沙汰にされることは無い。
そして、今日も―――。
サングラス着用の黒服2人組がある家の前で立っていた。
彼らの標的は今まさに帰宅しようと扉の前へと歩み寄った。
標的は彫りの深い白人男性。
彼は自宅の前に「黒いバラ」が置かれているのを見るや、慌てふためき出した。
周囲を窺いつつ、そっと中へと入ると急ぎ足でPCへ。
PCを開けば其処には暗号文が踊っていた。
解読したところ「ただちに帰国せよ」との文字列が得られる。
これを見た男が頭を抱えた。
暫しの逡巡の後、男は決意を固めた様子で動き出した。
手慣れた様子で荷物を片付けると拳銃を鞄に隠し外へと飛び出す。
男はサングラス2人組を横目にバイクに跨ると猛スピードで夜の道路を駆け抜けてく。
これにサングラス男が遅まきながら気付いた。
息の合ったコンビネーションで車を発進させると、バイクを追うのだが……。
初動の差が勝敗を分けた。
男はアメリカ大使館へ飛び込むと「私はロシア人だ」と叫びつつ、保護を求めた。
これを遠巻きに眺めるサングラス男たち、彼らも口々に「上に連絡だ」と叫んでいる。
これがこれから始まる事件の発端となる亡命騒動の顛末であった。
◆日下・小倉殺し
亡命騒動から数日後、謎の人物が何やらリストを眺めていた。
其処には「小倉健二」なる人物の個人情報が詳細に記載されている。
その翌日、小倉健二は歩道橋から転落死を遂げてしまう。
さらに数日後、謎の人物がリストを見つめていた。
今度は「慶明大学准教授・日下栄助」なる人物だ。
これに呼応するように、日下はその翌日には絞殺死体として発見されることに。
日下の事件は殺人事件として捜査の対象となった。
早速、伊丹たち捜査一課が動き出したのだが……。
同じ頃、退庁する右京(水谷豊)の前に懐かしい人物が現れた。
飄々とした物腰に、人を喰ったような物言い―――「自称・自由人」こと吉田一郎(松尾貴史さん)である。
一郎は「ある発見」をネタに、右京に夕食をねだる。
その頃、甲斐と悦子は峯秋との会食に挑もうとしていた。
甲斐との仲を進めたい悦子は思い切って峯秋との会食をセッティングしたのだ。
悦子に押し切られ渋々といった表情の甲斐、その前に峯秋が到着する。
甲斐にとって忍耐が試される時間が訪れようとしていたかに思われたが……。
甲斐にとってはタイミング良く、悦子にとっては悪いことに、右京から「花の里」での夕食のお誘いの電話が甲斐に届く。
峯秋との会食を避けたい甲斐は一も二も無くこれに乗ることに。
数十分後、「花の里」では右京と甲斐相手に一郎が「ある発見」を伝えていた。
何でも歩道橋下を歩いていたところ、キラキラと光る紙をゴミ箱から見つけたらしい。
光る紙はバラバラに引き裂かれており、興味を持った一郎はこれをかき集めた。
すると―――光る紙の表に個人情報らしきリストが現れたと言う。
それは被害者・小倉健二についてのものであった。
小倉健次の死亡現場に被害者の情報と思われる紙が落ちていた。
どうにも怪しい―――。
その頃、謎の人物はまた別のリストに目を通していた。
其処には「若島宏文」なる名前が……。
そして、若島もまた高架下で何者かに殺害されてしまう。
翌朝、米沢のもとに例の紙を持ち込んだ右京たち。
米沢によれば紙の正体は「シークレットペーパー」だと言う。
それは複写を不可能にする用紙らしい。
すなわち、物理的にコピー不可な重要機密を記すに適した用紙なのだ。
なんとも、きな臭い状況になって来た。
其処に峯秋から甲斐に電話が……なんでも甲斐抜きで会食を完遂したらしい。
峯秋は「良い御嬢さんじゃないか」と悦子を褒めつつ「お前たちのことだ、勝手にしなさい」と電話を切ってしまう。
相変わらずの峯秋の態度にムスッとした表情を浮かべる甲斐。
数分後、右京と甲斐は小倉健二殺害現場へ到着。
其処で監視カメラを発見し、中身を確認することに。
それには小倉健二殺害当日の階段下の様子がバッチリ撮影されていた。
小倉は歩道橋上から突き落とされており、カメラの死角となっており犯人は分からない。
だが、その周辺に意外な人物が映っていたのである。
それは「日下栄助」であった。
何かの繋がりを感じ取った右京たちは俄然、本腰を入れ始める。
其処に米沢から連絡が。
例の「シークレットペーパー」から採取された指紋の中に、社美彌子(仲間由紀恵)の物を見つけたのだ。
美彌子は内閣情報調査室総務部門(通称・内調)に在籍する主幹、言わば情報機関のスペシャリストであった。
さらにきな臭さを増す事態に身構えつつも、右京と甲斐は美彌子のもとを訪れる。
早速、回収した「シークレットペーパー」を取り出したところ、美彌子の顔色が変わった。
それは美彌子が保管していた資料の1つだと言う。
確認したところ、ファイルされていたソレが消えていることが判明。
どうやら、コピー不可である為にファイル自体を持ち出した人物が居るらしい。
伊丹たちの捜査が進展を迎えていた。
日下と交際していた女子学生・横田小百合に事情聴取を行ったのだ。
日下に別に妻が居る。
つまり、日下と小百合の関係は不倫である。
伊丹たちは日下のことについて問い質すが……小百合の答えは意外な物であった。
なんと、日下は分不相応なほどの豪遊をしていたらしい。
「財布が2つあるんだ」とさえ、豪語していたようだが……。
さらに、小百合によれば日下は彫りの深い白人(冒頭のロシア人だ!!)と何かの受け渡しを行っていたのだと言う。
受け渡した物は茶封筒で、まるでスパイ映画のようだったそうである。
同じ頃、美彌子は右京たちに冒頭のロシア人の写真を見せていた。
彼の名は「ヤルポロク・アレンスキー」、スパイだそうだが亡命していた。
アレンスキーが亡命したのは直属の上司が汚職で逮捕され、彼自身も疑惑を持たれたからである。
帰国命令が届いたのだが、命の危険を察したアレンスキーはアメリカに亡命したのだそうである。
その後、アレンスキーの協力者7人の名前が明らかになった。
此処で室長の天野がやって来た。
見知らぬ来訪者―――右京たちに驚きつつも天野は美彌子に事情を尋ね、これに許可を出す。
美彌子は続けてアレンスキーについての情報を続ける。
協力者として届けられたリストには7人の名があった。
まず、既に死亡している小倉、日下、若島の3名。
続いて残る4名は次の通りだ。
まず下山秀和、与党代議士である。
次に伊勢光、半導体メーカーの社員。
そして矢部邦仁、自衛官である。
最後に佐々木宏、東京都職員。
天野によれば7人には命の危険が迫っていることを教えたが、誰も耳を貸そうとしなかったらしい。
耳を貸すことはスパイ行為を認めることに繋がるからだ。
こうして、アレンスキーの協力者を狙った殺人事件が明らかとなり内村が乗り出した。
ここぞとばかりにやる気満々の内村、威信を見せつけるべく大々的な捜査が開始された。
下山ら残る4人を囮に犯人を炙り出す計画である。
一方、右京たちは若島の殺害現場が人気の少ない高架下であったことに注目していた。
何故、若島は危険を知りつつ其処に足を運んだのか……?
右京は若島が犯人に誘われたか、待ち合わせの場所として指定されていたのではないかと推理する。
すなわち、犯人と若島は顔見知りとなる。
◆矢部襲撃事件
同じ夜、伊丹たちの監視対象となった矢部が何者かに襲撃を受ける。
慌てて駆け付けた伊丹たちだが、矢部襲撃犯は忽然と消えていた。
周辺を見張っていた者たちの目にも止まらない早業であった。
「まるで幽霊のようだ」と洩らす伊丹。
しかし、矢部は襲撃者を逆に撃退し、その顔を目撃したと証言。
この証言をもとに似顔絵が作成された。
それは白人男性を示していたが……。
右京はこの似顔絵に懐疑的であった。
プロの殺し屋に仕留め損なうなどといったことがあるだろうか。
果たして、矢部は本当のことを述べているのか……。
翌朝、伊勢光が唐突に動き出した。
伊勢は監視班を撒くと、いずこかへと姿を消した。
同時刻、下山、佐々木、矢部たちまで一斉に行動開始。
何処かへと姿を消してしまう。
その頃、美彌子もまた行動を開始していた。
これを追跡する右京たちだが尾行がバレた為に、行動を共にする羽目に。
共に食事を楽しむ右京と美彌子。
右京は保護対象4人が消えた背後に美彌子が居ると指摘する。
美彌子は「安全な場所を用意した」と4人に自主的な避難を行わせたのだ。
当の天野は下山たちを集め、互いに互いを紹介させていた。
嘲笑するように互いのコードネームを挙げる天野。
◆コードネーム
下山は「ビローナ」こと「烏」。
伊勢は「ジャーバラナカ」こと「雲雀」。
佐々木は「バラビール」こと「雀」。
矢部は「ラースパチカ」こと「燕」。
天野の態度にたじろぐ伊勢たち。
しかし、1人下山だけは動じない。
天野室長、めっちゃ怪しいですね...。
犯人かも。
■天野の別荘へGO!
美彌子の案内で天野のもとへ向かうことになった右京たち。
その車中、甲斐は昨晩の悦子との遣り取りを思い出す。
峯秋との会食を逃げたことで、甲斐は悦子に批判されたのだ。
悦子は「結婚するならば峯秋に祝福されてからでなければ……」と強硬に主張していた。
それは甲斐に峯秋へと頭を下げさせることとなる。
甲斐はこれに悩んでいた。
ようやく天野のもとへ到着した右京たち。
下山たちに引き会わされた途端、美彌子は「あなたたちは国賊です」と痛烈に批判する。
しかし、他の面々と比較して下山はまたも全く動じない。
これに苛立ちを募らせる天野と美彌子。
話を引き取るように右京が推理を述べ始める。
今回の犯人はプロでは無いと断言する右京。
リストを現場に廃棄した手口はプロの犯行ではない。
また、矢部襲撃時の犯行に疑問を呈する。
襲撃犯は煙のように消えてしまった。
まるで人間業では無い、果たして何処に消えたのだろうか……。
これをせせら笑う下山。
右京たちは下山の態度を不審に思うことに。
何故か、下山からは狙われているとの意識に欠けているのだ。
そう言えば、天野が用意した避難場所(別荘)も警護に向くとは思えない代物であった。
その頃、別荘内の下山たちは矢部に促され互いがスパイに手を貸した理由について語り合っていたが……。
唐突に下山が別荘から帰ると騒ぎ出した。
ところが、美彌子を見るなり意見を翻してしまう。
下山は美彌子を見て何かに気付いたようだが……。
下山と矢部、伊勢と佐々木がそれぞれ相部屋となり、いよいよ夜を迎えた。
矢先、下山が姿を消してしまう。
なんと、下山は別荘の外で死亡していた……。
この事態に別荘に伊丹たちが駆け付ける。
下山の死因は撲殺、17時以降18時までが死亡推定時刻になるようだ。
早速、別荘内の人物が容疑者となった。
伊勢は室内で佐々木と居たと証言。
佐々木は室内で寝ていたと証言するも、伊勢については知らないと主張。
矢部は室内で1人。
美彌子は食堂で夕食の準備、天野はロビーで読書していたと証言する。
つまり、誰にもアリバイはない。
これに、伊勢と佐々木は「矢部襲撃犯が別荘にまでやって来た」と騒ぎ出す。
■真犯人
しかし、右京は矢部襲撃が矢部による自作自演だと指摘。
矢部がすべての事件の犯人である故に攪乱を狙ったと叫ぶ。
動揺する矢部に畳みかける右京。
「あくまで矢部は実行犯に過ぎない。指示した人物の名前を明かせ」と詰め寄るが……。
これに矢部は「指示は受けたが殺人は犯していない」と主張する。
矢部の受けた指示は殺人未遂の被害者を演ずることだった。
そして、その指示者は...
やはり天野であった。
此処に右京は天野こそが全ての黒幕であると断定する。
さらに、小倉、日下、若島殺害の犯人はそれぞれ日下、若島、下山であると断ずる。
実は円環型の不連続殺人事件だったのだ。
小倉殺害は日下の犯行。
日下殺害は若島の犯行。
若島殺害は下山の犯行。
小倉殺害時に現場に居た日下。
何故ならば、日下こそが小倉を殺害した犯人であったからだ。
天野は下山たちの裏切りを許せなかった。
だから、裏切り者たちの手で同士討ちさせていたのだ。
其処で、それぞれの弱味を掴み脅迫し円環状に殺害させた。
最終的には全員を抹殺するつもりだったらしい。
当初、天野は1人ずつ殺害を進める予定であったが、右京が事件であることに気付いた為に4人を別荘に集め事を完遂するつもりだったようである。
そして、下山殺害は天野の犯行であった。
だが、下山殺害のみはどうにも奇妙だ。
この犯行により残る矢部、伊勢、佐々木を抹殺出来ないのだ。
しかも、これに関しては天野自身が手を汚している。
これに対し「何事もルール通りにはいかないものだよ。不測の事態は避けられない。」と主張する天野。
「ふざけんなよ。いくら命じられたって人殺しなんてするもんか!」
「ああ!」
伊勢・佐々木が天野に罵声を浴びせるが「それはどうかな!!」と天野
「人は皆、それぞれ弱点を持っているんだよ。地位だったり...名誉だったり?家族だったり...場合によっては金だったり。」
天野には裏切り者に対し苦い記憶があった。
天野が警視庁公安部の課長時代に、ノンキャリの内調プロパーが情報を売り渡していた。
天野はその人物を「守秘義務違反」で立件しようとした。
だが法律実務の壁に阻まれて立件が成功しなかったのだ。
無力感に苛まれた天野は裏切り者たち自身の手による粛清を企んだのであった。
翌日、右京は下山殺害について天野の犯行で間違いないとしつつも、その隠された動機がある筈と述べる。
右京たちは美彌子を訪ね、これを問い詰める。
しかし、美彌子はこれを軽くいなす。
数時間後、天野のもとを美彌子が訪れた。
天野は美彌子の為に下山を殺害したと匂わせるようなことを打ち明ける。
それは美彌子の将来を守る為でもあったらしい。
「君ならこの国を守れる……そう思ったからこそだ」
熱く語る天野にそっと頷く美彌子は自身の異動について伝える。
警視庁への出向だそうである。
これを聞いた天野は心底嬉しそうに微笑む。
「いつか返せるときが来たらご恩返しします」
呟くと美彌子はそっとその場を立ち去った。
実は美彌子もまたアレンスキーと関係があったのだ。
そう、美彌子はアレンスキーの恋人であった。
これを下山に脅されたらしい。
其処で美彌子の為を想った天野が口封じすべく下山を殺害したのだ。
数日後、美彌子は警視庁広報課へ異動し広報課長となった。
さらに峯秋とも密かに連絡を取り合っていた。
どうやら、顔見知りらしい。
峯秋は特命係について「有用だが使い方を誤れば足元を掬われる」と評するが……。
帰宅した美彌子に彼女の愛娘が駆け寄る。
その子供は金髪に青い目を持ったハーフであった。
それが意味するところは……アレンスキーと美彌子との間に出来た娘なのだ。
一方、右京たちは天野による下山殺害の動機を突き止めるべく動いていた。
果たして右京たちは美彌子の秘密に辿り着くことが出来るのか否か。
それはまだ分からない。
■感想
シーズン13第1話。
脚本は輿水泰弘さん。
サブタイトルは「ファントム・アサシン」。
直訳すれば「幻の暗殺者」ということで「そもそも存在しない殺し屋」となります。
それは矢部襲撃犯のことであり、小倉や日下たちを殺害した「幻の犯人」とも言えるでしょう。
何しろ、小倉を除けば犯人は被害者自身だったことになるのですから。
実態はすべての黒幕・天野による円環状の不連続殺人となるワケですが、実行犯の円をずらせばすなわち自身を殺すのもまた自身となるワケで、その点でも「幻」と言えるでしょう。
天野の犯行は右京さんからは「歪んだもの」とされていましたが、だからと言って情報漏洩に対し手をこまねくべきではないことは一理あります。
此の点では、下山殺害までの天野の動機は「母国愛」の裏返しとでも言うべき物でした。
ただ、此処からが問題なのですが判断の主体が天野個人であったことの弱点が表面化します。
下山殺害です。
その動機はアレンスキーと通じた美彌子を庇う為でした。
あと、議員がロシアのスパイに情報を流したりしちゃダメでしょ...。
「相棒」の政治家たち、ヤバすぎる。
ラストに登場した美彌子の娘はアレンスキーとの間の子供でしょう。
つまり、美彌子も下山たち同様にアレンスキーと通じていた。
確かに美彌子とアレンスキーは純愛なのかもしれない。
だが、美彌子がふとした拍子に洩らした情報がアレンスキーによって悪用されないとは言い切れない。
むしろ、それが狙いで近付いていた可能性が高い。
アレンスキー自身にその気が無くてもその周囲により悪用される恐れがある。
子供が居れば、子供自身の安全も含めてなおさら危険だ。
だとすれば、それこそ天野が忌み嫌う「売国奴」に美彌子も該当すると思うのですが。
まさに下山たちと同じ存在です。
ところが、何故か天野は美彌子だけは特別としてこれを許してしまう。
天野にとって美彌子の娘の存在を知らないとしても下山の発言からアレンスキーとの関係は悟っていた筈。
なのに何故、美彌子だけは特別なのか……。
これが「裏切り者か否か」判断の主体が天野にあったことによる問題点と言えるでしょう。
其処には天野の主観が介在する余地がある。
故に公正を著しく欠きかねない。
まさに、これこそが右京さんが指摘した「歪んだ優越感」なのでしょうが……。
それとも……あるいは視聴者は知らないが、天野だけが知る美彌子にとっての何らかの事情が存在するのか。
そして、キャスト的に高評価。
美彌子役の仲間由紀恵さんも好演でした。
そう言えば、天野役を演じた羽場裕一さんは「相棒シーズン4」17話「告発の行方」でも代議士秘書・赤枝文和役で出演されていらっしゃいます。
同作は2006年2月15日の放送なので、実に8年ぶりの「相棒」だったのか。
こちらも良かった。
もう、犯行動機なんて、「羽場さんが演じる役だから」って理由でいいか。
ああ、天野でふと思ったことを1つ。
天野の計画はいわゆる円環状の不連続殺人で良いと思うんだけど、最後に残った1人は自身で手を下すつもりだったのかなぁ……。
だとすると、円環状にはならないのか。
どうなんだろ。
古畑任三郎『殺人特急』
◆あらすじ
天真楼病院にて外科医の中川(鹿賀丈史さん)は自身の不倫の証拠を探偵の宍戸に掴まれてしまう。新幹線の車内にて宍戸と落ち合った中川は、証拠の奪還や消滅は不可能と悟ると殺害を計画。
睡眠薬にて眠らせた宍戸に毒を注射し、そのまま座席にて殺害を実行してしまいます。
◆「振り返れば奴がいる」との関連性
この回を語る上で外せないのは何と言っても三谷氏の代表作である「振り返れば奴がいる」との関連性です。
「振り返れば~」には、同姓同名の人物が主人公たちが勤務する天真楼病院の外科部長を務めています。
同一人物であるとは描かれていないものの、彼のキャラクターを含めてまるであの中川が殺害を犯したかのような感覚に陥ってしまいます。
宍戸の後ろに女性と一緒に座っていた男性で、顔に大きな傷があるけど、ヤクザかどうかは不明です。
ガラの悪い人物で、何かある度に舌打ちをします。
前に座った中川が座席を倒そうとした時にも舌打ちをし、その際に中川の顔を見ていた。
だが厄介ごとが嫌いなのか、後からやって来た古畑が刑事だと知ると「俺は何もやっちゃいないし何も知らねぇよ」と言っていました。
宍戸については「車掌に連れて行かれた。具合が悪そうだった」、彼に連れがいたかについては「いたような気もする」程度の証言はしています。
古畑が何か罠を仕掛けているのではないかと警戒しつつも事件現場である車両に入り、古畑の隣に座ります。
古畑から「楽に、足でもかけて」と言われると、前の足掛けを倒してリクライニングシートも倒そうとする。
だがその途端、後ろから「チョッ…」という音が聞こえてきたので、シートを倒さずにロシア情勢の話をし出した。
その後で古畑の口にハンカチを当て、ペンを注射器に見立てて注射をする真似をする。
そして古畑からコートを脱がせ通路に出た。
これまでにかかった時間は2分40秒であり、これによって犯行を行ってから前の駅で降りる事は可能である事が証明された。
これにより容疑者が限りなく増えてしまったかに思われたが、古畑はかえって絞れたと言い、中川が犯人だと断言した。
古畑の言葉につい笑ってしまう中川だったが、実験の本当の目的はタイムではなかった。
中川は先程の実験で犯人しか知らない事を1つだけやってしまっていたのである。
確かに犯人もシートを倒していなかったが、これを知っているのはは古畑と今泉を除けば乗務員数名だけ。現場に行っていないと主張する中川がこれを知っているはずがないのである。
古畑にシートの事を追及されると、「そんな事で得意げになってどうすんだあんた?」と笑い、倒さなかったのは後ろの男が舌打ちをしたからだと答えた。
そして後ろにこれもん(ヤクザ風)の男が座っていると話すが、その後で古畑に「男ですか?どんな?」と尋ねられた。
その質問で何かがおかしいと感じた中川は、もしやと思い後ろの座席を覗き込む。するとそこにはヤクザ風の男はおらず、今泉の席の隣に座っていたお婆ちゃんが「チョッチョ…」と言いながら入れ歯を磨いていました。
そう、これが古畑がやりたかった本当の実験だったのである。
そして代わりに座っていたお婆ちゃんは特別ゲストであり、古畑が事情を話したら進んで協力してくれたという。
つまり、前に宍戸の隣の席に一度でも座った事がない限り、すでにいないヤクザ風の男が「後ろに座っている」なんて事は言えるはずがないのである。
古畑の追及に「私が婆さんを見ていたらどうするつもりだった?」と訊くが、男に顔を確認されたら全てがお終いなので、古畑は絶対に見ないと踏んでいた。
それは中川が宍戸から奪ったコートの中にあった品物であり、古畑は宍戸のポケットにあった品物もテーブルに並べていく。
そして、石川さゆりのテープとヘッドホンステレオ、煙草のヤニ取りフィルターと煙草、眼鏡ケースとサングラス、目薬のキャップと目薬を合わせ、中川に渡していく。
そして最後にフィルムの入っていないカメラだけが残ったので、古畑はフィルムは中川が持っていると断言した。
すると古畑は「コートです」と答え、中川には小さすぎると言った。
それだけでは決め手に欠けたが、古畑は「どう考えてもこれは先生のじゃない」と言って、コートのポケットの部分を掴んで振った。
すると大量の小銭が入っている音がしたが、600円のミカンですらクレジットカードで買う中川が、小銭を持ち歩いているなんて事はあり得ないのである。
そして虚しそうに外を眺め、次の駅で古畑に連行されていきました。